■ 大工の独りごと / 06 適材適所 − 木のもつ特性を生かす使い方
〜 建築には古くから木を生かす使い方がされています 〜
適材適所という言葉を聞いた事があるのではないでしょうか?
それは、会社や学校などの人事によく用いられる言葉ですが、木造建築の世界にも古くから用いられています。
たとえば、桧(ひのき)という木材はなぜ柱や土台によく用いられるのかご存知でしょうか?
それは、強度だけでなく耐防腐性、耐防虫(防蟻)性に優れている事が大きな要素です。
また、杉(すぎ)という木材は、強度ではやや桧に劣るものの、その木目の美しさから板材としてよく用いられ、
天井板や欄間(らんま)鴨居(かもい)長押(なげし)といった
和室の造作材として欠かせない存在です。
このような用途の面だけではなく、日本の気候風土にとてもよくなじむ木材として、桧、杉は数多く植林され
安定して生産されるようになりました。
しかし近年では、木材を家の中で目にしないつくり方が多くなり、
石油製品であるビニール系壁紙や工業製品ばかりで仕上げてしまう家が多くを占めるようになりました。
そのため、国産の木材を使用することが少なくなり、より安価な木材の流通が多くなっています。
見せないから良い、安ければ良い、強度には関係ない、素人は解らない・・・など
このような言葉を耳にすることもありますし、多くは同じような理由で使用しているのだと思います。
その度に、この人達は「建築」にどのような考えをもっているのかな?家の主「施主」にどのような気持ちをもって
いるのかな? その材質を理解して使用しているのかな?など・・・さまざまな疑問が頭をよぎります。
現在、数多く流通している安価な木材、通称「ホワイトウッド」という木材があり、ハウスメーカーなどで数多く
使用しています。
見た目は白く、強度は国産杉と同程度あり、価格は1/3程度とされています。国産杉より良いんじゃないか?
と思われるでしょう。しかし国産杉と大きく違うのは、家の耐久性を左右する耐防腐性、防蟻性にあります。
国産杉がその評価を「大」とされているのに対し、ホワイトウッドは「極小」とされています。
耐蟻性(主にシロアリ)を示す実験では、1ヶ月間シロアリの巣がある地中に国産杉、ホワイトウッドを放置し
その体積の減少を比較したところ
国産杉は1%、ホワイトウッドは40%その体積を減らしています。この結果をどう感じるでしょうか?
防腐剤、防蟻剤で処理しているから安全ですと業者は言うでしょう。その薬剤は何年もつのでしょう?
その接着剤は何年もつのでしょう?人体への影響はないのですか?
適材適所という言葉を、わたしは薬品で処理し補ったその建築の中に見つけることができません。
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ZEHビルダー:建築士会会員:ひょうご木の匠:兵庫県住宅改修業者:クリナップ水まわり工房会員
あんしん住宅瑕疵保険取扱店(10年保証):ジャパンホームシールド地盤保証取扱店:太陽光発電取扱店(MITSUBISHI認定施工店)